和食に欠かすことの出来ない調味料である「みりん」。そこで今回は和食店を中心に取材に訪れ、みりんの使い方やこだわりについて尋ねてみました。  すると、一部のお店ではある特徴のあるみりんが見つかりました。それは「三河」という地方のみりんです。  三河ではたまり醤油や豆味噌などみりんの他にも様々な醸造品が作られており、醸造に適した水と温暖な気候に恵まれた地方として知られています。蕎麦つゆやだし汁など「直接口にするもの」としてみりんを提供しているお店ではこの地方のみりんの名前がよく上げられました。料理に加えるというより「そのものを味わう」という趣向で使用されているみりんのようです。蕎麦つゆのようにそのまま「飲める」効果を期待したものには三河のものを、煮物など調理効果を期待したものにはまた別の種類のみりんを使用するなど、料理によってその種類を使い分けているのです。また純粋に飲み物としてみりんを置いているお店もありました。私もいくつか試飲させて頂きましたが、驚いたことにそれはまるでシェリー酒のような風味をもつ実に豊かな味わいのものでした。
さて、皆さんはこの「飲みものとしてのみりん」の存在をご存知だったでしょうか?今ではそのほとんどが「調味料」として使われていますが、実はみりんは今から400年以上昔に酒をもっと飲みやすくするために焼酎に餅米や米麹などを加えて作られた正真正銘の「飲み物」だったのです。もともとは酒として飲まれていたものが当時は入手困難であった砂糖の代わりに甘味調味料として使われるようになり、現在のみりんへと変化していったのです。現在では限られた地方でしか造られていない「飲むみりん」ですが、こだわりをもった料理人が料理の趣向によって使いわけをするためには必要不可欠な存在であるようです。
さて「みりん」と一言で言っても、その地方や製造方法により様々な特徴があり、こだわりのあるお店ほどそのみりんの特徴によって使いわけがなされていることが分かりました。
そこで一般の家庭でも、ただ単純に「和食だから…」と何となく使うのではなく本来の特徴を知り、もっと上手にみりんと付き合ってみてはいかがでしょうか?
もしかすると現代の家庭では、みりんの原材料はおろか正しい調理効果も知らないで使っている方がほとんどなのかもしれません。それどころか「使い方すら知らない…」なんて声も聞こえてきそうですね。 
みりんはもち米、米麹、焼酎を主原料に長時間じっくりと熟成させて造られます。その熟成期間の中で米麹の酵素によって米の成分が分解され、甘みと旨みが引き出され、あの独特の風味やこくが生まれます。そしてその引き出された甘みの正体である糖分が料理にてり、つやを与えるわけです。みりんによって与えられたてりとつやは砂糖と酒だけで調理されたものと比べ、仕上がりに明らかな差が出ます。また、角のないまろやかな甘さは素材の旨みを最大限に引き立たせることができ、更には煮崩れ防止や消臭効果なども期待できます。みりんは、和の調味料にしかない繊細な魅力をもった素晴らしい調味料と言えるのではないでしょうか。
しかし現在では料理の多様化により、改めて「和食」を作る機会も随分と減ってしまいました。そんな食卓がみりん使い方すら分からなくさせてしまったのかもしれません。みりんをもっともっと積極的に料理に取り入れ、本来の姿を知ると同時に和食文化そのものを見直してみてはいかがでしょうか?
店名住所TEL
浜藤 六本木店東京都港区六本木7-14-18 7&7ビル2F03-3479-2143
森羅東京都新宿区四谷1-20 若松ビルB103-3355-2412
東京都渋谷区恵比寿1-26-1603-3473-4774
もんじゃ さかえ東京都中央区月島1-9-803-3533-1655
桜田京都府京都市下京区烏丸仏光寺東入ル一筋下ル匂天神町075-371-2552
こま屋京都府京都市東山区宮川筋4丁目296 075-531-0606
虚無蕎麦望(こむそぼう) なかじん京都府京都市東山区東山三条古川町546 商店街中央付近東側075-525-0235
手打蕎麦 藤芳京都府京都市左京区北白川東平井町27-3075-711-2817
味禅京都府京都市下京区烏丸通仏光寺下ル大政所町678-2京都MビルB1075-352-1051
※他にもここに掲載できない数多く店舗の方々に、今回の研究にご協力頂きました。ありがとうございました。